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壊された5つのカメラ

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壊された5つのカメラ

 私は縄文時代が好きだ。自然と人とが無理なく共生し、権力のための戦争もなく、女性は尊重されていたと言われている。ドングリやクリを採集し保存食料とし、しかし必要以上は採集しないので「足るを知」っていた社会だ。しかし、鉄の武器と国家というシステムを持つ渡来人に侵略される。縄文の人々は武力で抵抗せず、より山奥へ逃れたり平和的に混在したりして住分けをしていた。わずか2300年まえの話だ。

 この映画で描かれるビリン村も収入はオリーブの実の採集で、収穫時期には幼児も一緒になって収穫する。その姿はまるで縄文人の家族のようである。かれらも銃を持ったイスラエル軍によって土地を奪われたり、オリーブの木を焼かれたりする。抵抗手段は「非暴力のデモ」だ。軍隊はただ叫ぶだけのかれらに対しゴム弾や催涙弾を容赦なく浴びせる。ビデオで撮影しているパレスチナ人のイマードもカメラを壊されたり、自分自身傷つけられたり仲間が殺されたりするが、それでも壊されても誰かがカメラを調達してくれ彼は撮影を続ける。

 四男が誕生したことがきっかけで撮り始めるが、彼が5歳になるまでに5台のカメラを壊され、妻からは「いい加減にやめて。逮捕されたら私たちはどうすればいいの。」と詰め寄られる。イマードはそれでも記録を残すことが使命だと撮り続ける。

 この作品の監督はイスラエル人とパレスチナ人の二人の共同作業だ。イスラエル人にもパレスチナのことを真剣に自分の問題としてとらえている人がいる。いつかどんなかたちになるか予想はつかないが、5歳の子どもが「兵隊を殺したい」と思わなくてもいいような解決方法を世界が探らなければならない。それはきっとみつかる。両者が納得できる紛争の終結を心より願っている。安心してオリーブを育てヤギの世話をして家族が笑って暮らせる日がくることを。

 一般公開は9月22日から、渋谷のイメージフォーラムなどで。

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