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HOME 愛しの座敷わらし

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高橋一家は父親の転勤のため東京から岩手の古民家に引っ越してきました。家族は当初はそんな田舎暮らしに不平や不満ばかり言っていました。その上その家では奇妙なことが起きるのです。前に住んでいた外国人は近所の人に「ごすと(ゴースト)がいる。」と言って出て行ったという話も聞きました。実はゴーストではなく「座敷わらし」だったのです。

「座敷わらし」は誰にでも見える存在ではありません。その上ちょっとしたいたずらをしたりするので初めは不気味な存在です。でも、昔はどこの家にもいたことや実は福の神であること、そして元々は間引かれた子供の化身であることなどを知るうちに不気味な存在ではなく親しさも感じてくるのでした。

おもえば一昔前はどこにでも奇妙な妖怪もどきが生息していました。タヌキやキツネに化かされたり、蛇が家の守り神だったりしました。大岩や大木が御神体の神社もたくさんあります。人間だけでなく植物も動物も異界のものたちも一緒に自然の中でかかわり合って生きていたのです。人間同士でなにか不都合な事態が生じたときにはそれらの何かのせいにして直接的なぶつかり合いを避けてきました。

ところが、いつのまにかコンクリートに囲まれた「都会」という無自然な環境になってしまい、人間のように図々しい生き物しか生きていけなくなってしまいました。緩衝になる存在がいなくなったことで家族関係もゆとりを失いました。 

毎日をあわただしく過ごしていて実際に「座敷わらし」と出会うことはなかなかありませんが、時には体をすり抜けていく風の中に懐かしい誰かの気配を感じたり、傘を打つ雨のしずくの音に幼い日の頃を思い出したりと、そのくらいの感受性は残しておきたいものだとこの映画を観て思いました。

 


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