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「日本の原発、どこで間違えたのか」内橋克人著

「『自然災害』に加えて『人災』が追い打ちをかけている。地震、津波、そして原発事故に打たれた『原発避難者』たちは、はるかな距離を集団疎開の旅に追い立てられている。

福島第一原子力発電所に発生した原発事故は、過去、私たちの国と社会が特定の意図をもつ『政治意思』によって常に〝焼結〟されてきた歴史を示す象徴である。人びとの魂に根づく平衡感覚、鋭敏な危険察知能力、生あるものに必須の畏怖心、それらのすべてを焼き固め、鋳型のなかにねじ伏せて突進しようとした剥き出しの権力の姿に違いない。」

この本は、著者が30年ほど前に「原発への警鐘」と題して出版した本に今回の原発事故を受けて書き足したものです。上記の一文はその序に書かれているものです。

今読んでも内容は全く古くなく、その警鐘は現実となってしまった。その中で2点ほど紹介します。

・トーマス・F・マンクーゾ(医学博士、一定の環境の中で化学薬品がひきおこす長期的な影響についての研究では、全米の第一人者という評価を得ている。):「原子力産業というのはクリーンでも安全でもありません。殺人産業といってもいいでしょう。ゆっくりと徐々に身体をむしばんでゆきます。ガンや他の突然変異的な病気を招くわけです。」「1944~72年に至る29年間に、ハンフォード原子力施設(ワシントン州リッチランドにある原子力兵器製造施設)で働いた労働者2万4939名のうち、調査時点での死亡者3520名。そのうち白血病を含むガンによる死者670名。被曝現場で働く労働者のガンによる死亡率は、全米白人の平均ガン死亡率より6パーセント以上も高かった。」

・放射線被ばくについて、市川定夫(埼玉大):「自然放射能(線)と人工放射能(線)はまったく違うんです。原子炉の中などでできる放射能は、自然界にはない放射能でして、生物の体内にとり込まれてからの挙動がまったく違っているんです。たとえば自然放射能には生物の体内、人体内に蓄積していくようなものはまったくない。ところが、人工的につくり出された放射能には、生体内、人体内に異様に高く濃縮されて蓄積されていくものがある。というのもその一つです。」

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